[本]流通革命の真実
―日経MJ(流通新聞)2007年5月4日号より―
渥美 俊一・著
ダイヤモンド社・発行
著者は、家業ではなく近代産業としての流通業を志向する経営者
などが集まる「ペガサスクラブ」を主宰し、チェーンストア理論
を日本に導入、普及させた経営コンサルタント。
読売新聞記者からの転身に始る著者の半生と、日本のチェーン
ストアの発展を重ねつつ、流通業の歴史と課題を読みやすくまと
めている。
当時の日本の消費者にとって買い物は苦痛だった、と第1章
「セルフサービスの誕生」で著者は振り返る。
買い物とは値段と品質が見あっているか「売り手にだまされるん
じゃないか」という不安と焦燥に駆られる行為だったからだという。
その不安から消費者を解放するのがセルフサービス。
しかし日本のセルフ店は「いまだに不完全」だと著者の目には映る。
リストラを遅らせる経営トップの罪。なぜ欧米型ディスカウント
ストア経営が日本でできないのか。バイヤーの欠点。PB開発失敗の
理由。黎明期から一貫して流通業の経営と実務の現場を見てきた
人間の厳しい指摘には説得力がある。
終章で著者は「チェーンストア産業づくりは格差解消のための社会
革命、社会運動だった」と総括する。
格差拡大が指摘される今、これからも「真実のチェーンストア産業の
育成を目指す」という著者の姿勢は一貫している。
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